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江戸の夜空に咲く大輪の花火—『はなびのひ』で感じる夏の風情

江戸の夜空に咲く大輪の花火—『はなびのひ』で感じる夏の風情

夏の風物詩といえば、夜空を彩る花火。そんな花火をテーマにした絵本『はなびのひ』は、江戸の町並みとともにその美しさを描いた作品です。

物語のあらすじ

今日は待ちに待ったお江戸の花火大会。主人公のぽんきちは、花火職人の父を持つ少年です。夜まで待ちきれないぽんきちは、お母ちゃんに頼まれて、お父ちゃんの夜食を届けることに。しかし、その姿を見た町の人々は「もう花火の時間だ!」と勘違いし、次々と後をついていきます。こうして町中が大騒ぎとなり、やがて夜空には大輪の花火が咲き誇るのです。

江戸の文化と花火の魅力

本作は、たしろちさと初の和風絵本。これまで洋風の作品を多く手がけてきた著者ですが、実は大の江戸好き。膨大な資料をもとに、江戸の町並みや文化を細かく描き出しました。特に、夜空に次々と打ち上げられる花火のシーンは圧巻。読者はまるで江戸の町にいるかのような臨場感を味わえます。

夏の定番絵本として

『はなびのひ』は、花火の美しさだけでなく、江戸の人々の暮らしや文化を楽しめる一冊。夏の夜、涼しい風を感じながらこの絵本を開けば、まるで江戸の花火大会に参加しているような気分になれるでしょう。